野菜や魚介の生産地として知られる糸島では、最近、ハンバーガーを提供するショップも増えています。そんな中、二丈深江の少し奥まった場所に新しい店ができたと聞き、早速行ってきました。

2026年7月9日にオープンした「FANK BURGER」は、筑前深江駅から歩いて約10分。二丈岳の麓にあるガレージのような建物です。店先に置かれた手作りの「FANK BURGER」の看板以外に、目立つものはほとんどありません。
FANK BURGERの隣は、私たちも気に入っている糸島のブルワリー「Camosi Brewing」。バーガーショップとクラフトビールの醸造所が隣り合うなんて、これ以上にない組み合わせに思えますが、オーナーの寺本洋平さんによると、これはまったくの偶然なのだそうです。

店内は、外から想像する以上に広々としています。内装の多くには再利用した素材が使われ、アメリカのガレージを思わせるような肩の力が抜けた手作り感のある空間です。オープンキッチンなので、調理の様子がよく見え、鉄板で焼く肉の音や香りも、店の雰囲気の一部です。

熊本で精肉店を営む家に生まれ育った寺本さんは、精肉はもちろん、糸島で農業にも携わってきました。そして、福岡の美野島にあった初代FANK BURGERで店長兼料理人を務めた後、この度、糸島で自分の城となるFANK BURGERをオープンしました。念願かなって糸島にオープンした新店FANKは、家族で営む店です。妻のさやかさん、そして私たちが訪れた日には娘さんも手伝っていました。

ハンバーガー好きは、それぞれにこだわりがあります。何をもって「良いバーガー」か、を論じ始めると、話はきりがありません。ただ、寺本さんがキッチンに立つ姿を見て、そして、2種類のバーガーを食べた後の答えはシンプルに「良いバーガー」です。
私たちは、プルドポークバーガーとアボカドチーズバーガーを注文しました。どちらにも、皮付きのままカットされた揚げたてポテトが添えられています。
まず目に入るのは、そのサイズ。一層ずつ丁寧に重ねられた具材を、ちょうど良いサイズ感のバンズがしっかりと支えています。春日市のベーカリーがFANKのために特別に焼くバンズの表面は軽くトーストされ、たっぷりの具材を受け止めるだけの強さがあります。
そして、バーガーの中心にあるのは、厚みのある九州産黒毛和牛100%粗挽きパティです。パティは均一な円盤状に強く押し固めるのではなく、あえて無骨に成形して肉らしい噛み応えを残します。精肉店の家に育った寺本さんは、どれだけ具材を重ねても、バーガーの中心にあるべきものは牛肉だとよく分かっています。

メニューの中でも気になったのはプルドポークバーガー。九州ではまだ、プルドポークはバーガーの定番とはいえませんが、北米ではとてもポピュラーなバーガーメニューです。ここのプルドポークは、やわらかくジューシーに調理され、黒毛和牛のパティと溶けたチーズの上にたっぷりとのっています。コクがある豚肉は、簡単にほぐれるものの、パティの牛肉に負けないだけの食感も残っています。
シャキシャキとしたレタスと焼いた玉ねぎ、ピクルスを刻み込んだ自家製マヨネーズソースも、いい働きをしています。サイズも重量もしっかりあるFANKの濃厚なバーガーは、それぞれの具材がきちんと主張します。

一方、アボカドチーズバーガーは、よりシンプルな構成です。程よく熟したアボカドを薄くスライスし、溶けたチーズと熱々の黒毛和牛パティの上に扇状に重ねています。クリーミーなアボカドと、しっかり焼き色をつけた牛肉との対比が心地よく、パティの下にひいたシャキシャキのレタスとトマトベースのソースが、みずみずしさと軽い酸味を添えています。

メニューには、スタンダードバーガーやチーズバーガーをはじめ、卵、チリミート、サワークリーム、ワカモレ、モッツァレラを使った組み合わせが並びます。ベーコンは寺本さん自家製で人気メニューの一つだとか。バンズもパティもひとまわり小さいキッズバーガーは、黒胡椒などの刺激の強い味付けはしていません。
プルドポーク、アボカド、ハラペーニョ、グリルパイナップルなどの追加トッピングもあります。ハラペーニョは自家栽培。農業にも関心をもつ寺本さんらしい、小さなこだわりです。

ちなみに、店名の綴りは間違いではありません。FUNKではなく「FANK」です。ファーマーでもある寺本さんが、farmとfunkを組み合わせた造語です。
糸島のにぎやかな海岸ルートから少し離れた場所にあるFANK BURGER。偶然通りかかって見つける人は、そう多くないでしょう。でも、そのくらいがこの店には似合っています。
バーガー好きなら、少し寄り道をしてでも立ち寄る価値のある店です。
FANK BURGER
- 所在:福岡県糸島市二丈深江2545-1
(JR筑肥線 筑前深江駅から徒歩約10分) - 電話:050-8883-0880
- 営業時間:11:00〜15:00、土日祝9:00〜15:00(L.O. 14:30)
- 定休日:8/31までは無休。以降の営業日はInstagramで確認
- 支払:現金、クレジットカード可
- テーブル・カウンター約20席、駐車場あり、テイクアウト可
- https://www.instagram.com/fank_burger/





